ここでは、小林海事事務所での取り扱いが多く、実績のある船員労務の業務を紹介します。
雇入れ及び雇止め
令和4年4月の船員法大改正に雇入れ及び雇止めの主体が船長から船舶所有者に変更となりました。
これは、船員様の雇用関係を締結するものである業務のため従前まで雇入れや雇止めをそこまで重視してこなかった船主様が船長ではなく、船舶所有者としての責任を負うことを意味しております。
実際にこの雇入れと雇止めに関して、海上保安庁からの聴取、運輸局(労務官)からの戒告処分が最近では多く相談を受けるようになりました。
当事務所では、「届け出書」の他に「船員手帳」から「海員名簿」の記載又は記載ミスの訂正やクルーリスト作成、届け出など下記の業務を行っております。
届け出書作成 | 運輸局又は指定市町村長へ届け出 |
海員名簿記載/訂正 | 記載についてはご依頼のある場合 |
船員手帳記載/訂正 | 記載についてはご依頼のある場合 |
クルーリスト作成 | 船長が作成できない場合 |
船員手帳の有効期限確認 | 失効の場合は再交付申請 |
健康診断の有効期限確認 | 失効の場合は船長又は船舶所有者へ連絡 |
船員保険の加入確認 | 失効の場合は船長又は船舶所有者へ連絡 |
海技免状の有効期限確認 | 失効の場合は再交付申請、期限が近い場合は更新申請 |
定員の条件確認 | 就業規則と船舶検査証書から定員の確認 |
雇入れ契約書確認 | 届け出書、海員名簿と給料、手当が合致しているか確認 |
就業規則の確認 | 乗り組み基準を満たしているか確認 |
*「船内雇止め」の場合には届け出前に雇入れが「1回以上」行われていない場合、当事務所では下船後に船員手帳を持って船員様が帰宅されてもよいです。(平日でも可)
履歴限定解除申請を即日行いたい場合は、中国運輸局の場合15時30分までに申請を行う必要があります。(時間の期限があるのは運輸局のシステム関係です。)
船内苦情処理(懲戒処分を含む)
船内苦情処理は海員組合との関連はなく、船員様の雇入れ契約を締結する前に国土交通省令に記載の苦情処理方法を船員様に提示して、実際に船内のトラブルを解決するものです。(船員法の義務となっております。)
船内トラブルで多いのは、船主様や船員様もご周知の通り「人間関係」が最も多く当事務所ではその苦情処理、苦情処理手続きの書類(船内、事業所用)を作成しております。
例えば...「船長と機関長からのいじめ」、「上長からの暴力」、「パワハラ、セクハラ」、「陸上職と海上職の認識が違う」、「陸上職側に船員様からの苦情を受けている」などの苦情処理が最も多いです。
特に悪質な場合は就業規則と苦情処理手続きによって懲戒処分を当事務所が書面にて実施します。
弁護士との大きな違いは、先ず船員法に詳しい弁護士は少数で基本的には船主保険などの高額な報酬が必要となる場合や裁判での解決を目指していること、そして「依頼人」のみの味方である必要が法律上にあることです。メリットは裁判で白黒ハッキリすることです。
一方で、小職のような海事代理士の場合には裁判を未然に防ぐために存在し「依頼人」だけでなく「船員様」と「陸上職、船主様、傭船者様」の両方の味方になれることです。
裁判によって引き起こされる問題は「社会的に事業主側のブランドが下がる」、「船員様は転職や在籍が困難になる」といったデメリットや関係者が呼び出されることによる実質的な業務停止やオフハイヤーが発生することです。
海技免状関係の申請
単純な申請であれば、運輸局や教育機関で教えてもらうことやネットでも申請できます。
当事務所では乗船履歴の証明や計算など履歴限定解除申請、海技免状の上級取得についての申請や船員手帳の交付、再交付などをメインとした実績が多いです。
もちろん、単純な申請といっても小職目線のためメールやお電話で当事務所は無料相談を受けることはできます。(所在地によってはコスト的にご自身で申請をされた方が良い場合もあるため)
以上までが守秘義務の範囲内で紹介できる当事務所の船員労務に関連の実績でございます。具体的な件数は「海事代理士法」によって記載が難しいですが、実際に多く取り扱っているものとなっておりますのでぜひ参考にしていただけると幸いです。