船舶検査(タンカーなど)

検査対象船舶

対象船舶は下記の通り、国際航海に関係なく特定の設備を有しており、総トン数が「タンカー」で150トン以上、「タンカー以外の船舶」では総トン数400トン以上の場合などに検査が必要となります。

国際航海の場合は「海洋汚染等防止証書」(内航船)に加えて「国際海洋汚染等防止証書」(IAPP,IOPP,ISPP,IBWM)が船舶によってそれぞれ1部、必要となります。

平水区域~遠洋区域
  • 油の排出防止に関する設備搭載の船舶
  • 大気汚染防止設備を搭載の船舶
  • ふん尿設備を有する船舶
  • タンカーの場合は総トン数150トン以上
  • タンカー以外の場合は総トン数400トン以上

検査の期間

海洋汚染等防止手帳内の最初にあるページにて次回の検査種類と検査期日が記載されております。

一般的には通常の船舶検査(安全法)と合わせる場合が多く、「定期検査5年に1回」「中間検査2.5年に1回」となっております。

検査申請の流れ

当事務所での検査申請の流れを紹介します。

担当の海事代理士によって「即日」での証書受け渡し等ができない場合がございますので、あくまでも小林海事事務所での対応であることをご了承ください。

  1. 造船所又は小職に依頼する。
  2. 当事務所の場合では後述する必要書類の原本コピーを造船所から小職に送付。(PDFファイルでも問題ありません。)
  3. 小職の委任状を上記と同様に送付。
  4. 海事代理士がドック場所を管轄する運輸局又は海事事務所で協議及び申請を行う。
  5. 船舶が造船所へ入渠した際に小職が原本を船舶が受領をして原本とコピーに相違がないか運輸局で確認し、原本を運輸局へ提出。
  6. 検査期間中に問題がある場合には小職が事務官及び検査官と検査の協議。
  7. 緊急に航行する場合には「検査証書提出免除通知」を小職が取得して船舶へ届け出る。
  8. 最後の検査である海上試運転(効力検査)が終了後に運輸局で待機をしている小職が船舶へ必要書類を届ける。(当事務所では原則、その日に対応)

*上記のように、「申請」のみで手順が多すぎることや協議や申請に失敗した場合には検査は遅れるため基本的には国土交通省登録の小林海事事務所又は他の海事代理士に依頼するケースのほうが多いです。

必要書類

上記の「検査対象船舶」における必要書類は下記の通りです。

内航船(国際航海をしない船舶)
  • 海防法の検査申請書(船舶安全法の申請書は利用不可)
  • 海防法の手数料納付書と*法律で定めれた収入印紙(複数の検査申請をまとめて一枚で申請することも可能です。)
  • 海洋汚染等防止証書(複数枚ある場合には検査の種類に関係なく全て必要です。
  • 海防法の検査手帳(上記の証書が複数枚でも、基本的に一冊のみ必要です。)
  • 船舶国籍証書(法律上は不要ですが、実務上では海事代理士と事務官で確認事項があるため必要です。)
  • 海事代理士の委任状
  • 臨検簿、検査申込書(検査専門の海事代理士、一部造船所、船舶検査官のみ所有しており、ネット上では存在しません。また、運輸局によって不要の場合もあります。
国際航海をする外航船(日本船籍)
  • 内航船と同様の書類全て
  • EEXIの手引書
  • 条約証書(油、大気、ふん尿設備)
  • 塗料に関する条約証書
  • SOLAS条約関係の書類
  • 条約非適任申請書(船舶によって書類の書式と申請方法が異なります。)

申請難易度が高いため当事務所へ

記載した内容は基本的に船舶検査専門の海事代理士が普段行っている業務です。

すでに、申請難易度が通常の検査(安全法)よりも遥かに難しいことはご了承いただけると思いますが海事代理士が行う「一部」の業務であり、これ以外にも例えば「船舶検査延期申請」、「国籍証書の検認」などもあり、海事法務は当事務所にお任せいただきたいです。

代表
代表

海事法務を一から行う時間や余裕がある場合には「ドックオーダー」や造船所様との修繕検査費を協議、船員様とのミーティング、傭船者様とのミーティングをされたほうがお仕事が円滑に進みます。